瀬戸内海区水産研究所
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第1回瀬戸内海水産フォーラム
瀬戸内海におけるアマモ場の現状と回復への取り組み
日時:2005年10月29日(土)12:30〜16:30
場所:広島県立生涯学習センター 2階大研修室
趣旨

 アマモ場は,波の穏やかな浅海の砂泥海底で海草アマモが群落をつくっている場所です。ここでは,アマモ自身の高い生産力とアマモ葉上に着生する微細藻類によって大量の植物体が生産され,多くの海の生物が餌料としてその恩恵を受けています。加えて,アマモの群落は,多くの魚類の稚魚や成魚が生活に利用する海の森でもあることから,私たち人間にも豊かな恵みをもたらしてくれています。

 しかし,瀬戸内海では,埋め立て,環境の悪化,海底浚渫等により,戦後半世紀の間に70%以上のアマモ場が消失し,現在も年々縮小しています。このため,近年瀬戸内海では,沿岸海域の環境保全に資する重要な取り組みの1つとしての,アマモ場回復の緊急性が高まっています。

 そこで,瀬戸内海水産フォーラムの第1回として,アマモ場研究に関する最新の情報や,アマモ場の回復に向けて実施されている事業について幅広く紹介し,瀬戸内海に立地した各試験研究機関が推進しているアマモ場回復の取り組みへのご理解を深めていただくとともに、皆様からのご意見を今後の研究に反映させるため,今回の「瀬戸内海におけるアマモ場の現状と回復への取り組み」を企画致しました。

 本フォーラムがアマモ場回復の取り組みに対する皆様の一層のご理解と今後のアマモ研究の発展に寄与することを祈念してやみません。

プログラム
あいさつ・趣旨説明
I. 概論
瀬戸内海のアマモ場 〜その役割と現状〜 吉田吾郎・新村陽子(瀬戸内海区水産研究所)・寺脇利信(水研センター研究調査部**
瀬戸内海の流れとアマモ種子の輸送経路 谷本照巳・高杉由夫 ((独)産業技術総合研究所中国センター)
II. アマモ場回復への取り組み 〜研究サイドから〜
田辺湾における海草の分布とコアマモ群落の生態 上出貴士 (和歌山県農林水産技術センター水産試験場増養殖研究所)
人工基盤を用いたアマモ場造成の試み 鈴川健二 (愛媛県中予水産試験場)
離岸堤背後域に移植したアマモの7年間のモニタリング 藤原宗弘・山賀賢一(香川県水産試験場)
徳島県におけるマットを用いたアマモ場の造成手法と回復事例 棚田教生(徳島県立農林水産総合技術支援センター試験研究部水産試験場鳴門分場)
III. アマモ場回復と海域環境再生 〜行政サイドから〜
アマモ場を組み込んだ海域整備計画 鳥井正也(岡山県水産課)
横断研究プロジェクト「広島湾流域圏再生研究 〜大田川から広島湾までの自然再生を目指して〜」の取り組み 横内昭一(広島県政策企画局)
IV. 今後の課題と方向性
周防大島町厨子ヶ浜地先におけるアマモ場の消長と「人工暗礁」構築への取り組み 森口朗彦(水産工学研究所***
干潟との統合領域としての藻場の研究方向性 浜口昌巳・内田基晴(瀬戸内海区水産研究所
V. 質疑応答と総合討論
  *:独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所
 **:独立行政法人水産総合研究センター研究調査部
***:独立行政法人水産総合研究センター水産工学研究所
開催場所の地図とポスター
主催・後援

主催:
独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所
独立行政法人水産総合研究センター屋島栽培漁業センター
瀬戸内海ブロック水産試験場長会

後援:
水産庁瀬戸内海漁業調整事務所
瀬戸内海開発協議会

お問い合わせ先

独立行政法人水産総合研究センター
瀬戸内海区水産研究所企画連絡室
TEL:0829-55-3406 FAX:0829-54-1216
E-mail:feis-kiren@ml.affrc.go.jp