アカガレイの種苗生産技術並びに放流技術開発研究
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[要約]
- アカガレイを安定した生残率で種苗生産するために、仔稚魚期の至適飼育環境を検討し、放流技術の開発として変態終了した種苗を用いて水温耐性を試験した。
兵庫県立水産試験場 増殖部
[連絡先] (078)941-8601
[推進会議] 瀬戸内海ブロック水産業関係研究試験推進会議
[専門] 増養殖技術
[対象] 他の底魚
[分類] 研究
- [背景・ねらい]
- 兵庫県日本海側の基幹漁業である底曳き網漁業の重要漁獲対象魚種であるアカガレイの漁獲量が急激に減少(1981年の4700トンをピークに減少し、1990年代に入ってからは500〜700トンを推移しており、最盛期の10〜20%程度)した。地元漁業者から強い要望があった人工種苗の放流と資源の回復を図る目的で、本種の種苗生産技術並びに放流技術開発研究を行う。
[成果の内容・特徴]
仔稚魚期の至適飼育環境
- 照度 シオミズツボワムシを仔魚が摂餌するには200lux以上の照度が必要であることを明らかにした。(表1)
- 水温 仔稚魚期の飼育水温については、7.5〜8℃に保つことにより高い生残率が得られることを明らかにした。(表2)
- 収容密度 仔稚魚の収容密度を5万尾/t未満にすることにより、孵化後40日目で40%以上の生残率が安定して得られるようになった。(表3)
変態終了種苗の水温耐性
15℃飼育の種苗を25℃以上に水温設定した水槽へ移すと、2時間以内に100%死亡し、5〜20℃に水温設定した水槽へ移しても、3時間以内に死亡が無いことを確認した。
[成果の活用面・留意点]
安定した生残率が得られるようになったが、眼球の移動や、体色発現が正常でない等、形態異常の個体が存在する。生物餌料に栄養強化することで、異常の出現を軽減できることを確認したが、形態異常の防除方法をさらに検討する必要がある。
[具体的データ]
表1 照度と生残率の関係
| 照度(lux) |
生存率(%) |
| 50 |
0.9 |
| 100 |
0.7 |
| 200 |
9.9 |
| 500 |
7.4 |
期間:孵化から16日間
水温:10℃
表2 水温と生残率の関係
| 水温(℃) |
生存率(%) |
| 5.0 |
16.7 |
| 7.5 |
33.0 |
| 10.0 |
10.7 |
| 12.5 |
4.0 |
| 15.0 |
2.3 |
期間:孵化から15日間
表3 収容密度と生残率の関係
| 収容密度(万/t) |
生存率(%) |
| 1.0 |
60.7 |
| 2.0 |
44.1 |
| 3.3 |
44.7 |
| 5.0 |
28.5 |
| 10.0 |
18.6 |
期間:孵化から40日間
水温:7.5〜8.0℃
[その他]
研究課題名:アカガレイの種苗生産技術開発並びに放流技術開発研究
予算区分:試験研究調査費
研究期間:平成6年〜平成10年
研究担当者:魚住香織、原田和弘、田畑和男、金尾博和
発表論文等: