瀬戸内海区水産研究所
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愛媛県大三島地先海域にオニオコゼ稚魚を放流しました!

 当所伯方島栽培技術開発センターでは,愛媛県今治市大三島町の地先海域でオニオコゼ稚魚を用いた放流試験を開始しました。オニオコゼは西日本を中心とする海域の重要な漁業資源であり,高値で取引される高級魚です。近年,その水揚げ量は減少しており,種苗放流による資源回復が期待されています。
 今回の試験は,稚魚の育成に好適とされるアマモが群生している海域(試験区)とアマモが群生していない海域(対照区)の2ヶ所に稚魚を放流し,底質が異なる海域での増殖効果を評価するのが目的です。
放流魚は,天然魚と区別するための外部標識として,すべての個体で背鰭の4番目及び5番目の棘を抜去してあります。また,放流海域を区別するための内部標識として,体内の骨(耳石)の蛍光染色(試験区:1重染色,対照区:2重染色)が施してあります。
 今後は大三島漁業協同組合の市場で水揚げ調査を行い,天然魚と放流魚の水揚げ尾数を調べて混獲率や回収率を解析する予定です。なお,放流作業や潜水調査には,愛媛県農林水産研究所水産研究センター栽培資源研究所,大三島漁業協同組合(今治地区漁業協同組合協議会),今治市産業振興部水産課,愛媛県漁業協同組合連合会,(財)広島県漁業振興基金,ダイビングショップBAJAMARの皆様に協力していただきました。

【放流日】 2009年10月28日
【放流場所】 (試験区)今治市大三島町台地先,(対照区)今治市大三島町大見地先
【放流魚の年齢と大きさ】 0歳魚(2009年生産魚),平均全長76 mm
【放流尾数】 20,000尾(試験区10,000尾,対照区10,000尾)
【お問い合わせ先】 (独)水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所
    伯方島栽培技術開発センター
〒794-2305 愛媛県今治市伯方町木浦甲2780
TEL.0897-72-0204 FAX.0897-72-2544
E-mail : keohta@fra.affrc.go.jp 
(担当:栽培資源部 栽培技術研究室 太田健吾)
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船を使って放流地点まで種苗を輸送し,放流用のダクトホースを準備
海面から海水とともにダクトホースで海底に放流
海底付近でダクトホースの末端から放出される稚魚
水深 8 m の海底に着底した直後の稚魚
着底後まもなく潜砂した稚魚