渦鞭毛藻類 Dinoflagellate

 渦鞭毛藻は単細胞生物で、淡水、汽水、海水域に幅広く分布している。大部分が運動性を有し、基本的には単体で浮遊性であるが、群体や糸状体をなし付着性や寄生性をとることもある。生活環の一時期にシストなどの包嚢状に変化して休眠状態となり、水底に沈降することが知られている。細胞の腹面を前後に延びる横溝と、細胞の側面を取り巻く横溝があり、その中にそれぞれ1本ずつの鞭毛がある。なお、Dinoflagellateの"Dino"は回転する、渦巻くという意味のギリシャ語を語源とするもので、これは運動様式が渦巻き状であることに由来しているようだ。
 栄養摂取様式は光合成を主とする独立栄養(autotroph)、ビタミンなどの少量の有機物を必要とする不完全独立栄養(auxotroph)、光合成をしながら同時に捕食も行う混合栄養(mixotroph)、専ら捕食に頼る従属栄養(Heterotroph)など多種多様である。また、一部の種はクラゲや貝類などの軟体動物やサンゴに共生したり、あるいは自らの細胞内に共生生物を有したりと多様な生活環が知られている。このため、渦鞭毛藻として植物界に含めるか、語源に従って渦鞭毛虫類として取り扱うか議論が分かれている。

「赤潮生物マニュアル」を一部改変

詳細は渦鞭毛藻関連のホームページを参照

北海道大学理学部
ttp://bio.sci.hokudai.ac.jp/~horig/

東京大学アジア生物資源環境研究センター
http://dinos.anesc.u-tokyo.ac.jp/
 

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