防水ハウジングの目的
カメラを水中に設置するには、 カメラを浸水から防ぐための防水ハウジングが必要です。 ここでは、安価な塩ビ配管用品を材料に、 簡易防水ハウジングを製作する方法をご紹介します。 市販のデジカメ用防水ハウジングは、 ハウジング内にカメラを収容した状態でシャッターボタンを押す等、 ハウジングの外からカメラの操作が可能ですが、 簡易防水ハウジングは、カメラを収容し防水するためだけのもので、 ハウジング外からのボタン操作はできません。 タイムラプスカメラ等、あらかじめ撮影できるように設定したカメラを収容します。
簡易防水ハウジングの材料
ここでは、 Raspberry Pi A+ と USBバッテリーで構成したタイムラプスカメラ を収容できる簡易防水ハウジングを製作します。 製作には以下の材料を用います。
- 掃除口 (マエザワ MCO75)
- TSソケット (TSK TSS75)
- アクリル丸板 (直径100mm 厚さ5mm)
- 接着剤 (スーパーX)
簡易防水ハウジングはできるだけ小型になるよう材料を選択します。 必要以上に大きいと、カメラやバッテリーを収容した際に内部の空隙が大きくなり、 水中では浮力が働くため、設置の際に大きなオモリが必要になるためです。
簡易防水ハウジングの製作
簡易防水ハウジングを製作するには、以下の手順で先の材料を接着します。
- まず、掃除口とTSソケットを接着します。 あらかじめ掃除口のフタを外してから、 掃除口の側面に接着剤を塗布しします。 接着材を塗布したら、掃除口のフタ側を下にして置きます。
- 接着剤を塗布した掃除口に、TSソケットを上から押し込みます。 押し込んだら、掃除口側を下にしたまま立てておきます。
- 次に、TSソケットにアクリル丸板を接着します。 TSソケットの上側端面に接着剤を塗布します。
- 接着剤を塗布したTSソケットの上側端面に、アクリル丸板を乗せます。 アクリル丸板の位置が中心からズレないよう位置を調整します。
接着後は、そのまま一昼夜静置し、接着剤が十分に乾燥するまで待ちます。 使用前に、掃除口の Oリングにシリコーングリスを塗布しておきます。
カメラの収容
簡易防水ハウジングが完成したら、ハウジング内にカメラを収容します。 Raspberry Pi カメラの場合、カメラモジュールや本体、バッテリーを固定する必要があります。 ここでは、タミヤユニバーサルプレート(2枚セット)を使い、 Raspberry Piカメラを固定する台座を製作します。
- プレートの片側に"足"を取り付けます。 ユニバーサルプレート2枚セットに付属しているピンで固定できます。
- "足"の反対側に"頭"を取り付けます。 プレートの端は、あらかじめ2列ほどニッパーで切断し、 L字型のバーを適当な長さに切って取り付けます。
- "足"と"頭"を取り付けたプレートを、 USBバッテリー(Anker PowerCore 10000)と一緒に掃除口のフタに押し込みます。 この状態で、"足"を掃除口のフタに瞬間接着剤で固定します。
- Raspberry Pi とカメラモジュールをプレートに取り付けます。
- Raspberry Pi本体は、片側をピンで固定し、バッテリーとともにセロテープで固定します。 カメラモジュールもピンで固定した上からセロテープで固定します。
- USB電源のケーブルを Raspberry Pi に接続し、ハウジング内に収容します。 Raspberry Piが起動し、タイムラプス撮影が始まります。
水中に設置
水中に設置する前に、カメラを収容せずに、防水ハウジングだけを水中に沈めて、浸水しないか水没テストします。
水没テストで問題がなければ、カメラを収容して、水中に設置してみましょう。
水中に設置する際は、固定するための台や、浮かないように適当な大きさのオモリが必要です。 ここでは、漬物石(3.5kg)の上にカメラを乗せ、インシュロックタイとビニールテープで固定しました。 ロープを取り付けて桟橋から垂下して撮影しました。
以下、写った魚の例です。