広島湾底質汚染実態調査

航海期間:平成25年9月25日

 今回の調査は、広島湾の大野瀬戸の定点(ST.K)において、SM採泥器で採集した底質をふるいに取り、現場海水で底質を流して底生生物を採集しました。また、ST.Kおよび広島湾の湾奥から南方向の4定点(ST.H、ST.21、ST.35、ST.44)において、柱状型採泥器を用いた採泥を行い、底質直上水および表層の底質を採集しました。これらの試料は、一般研究課題「多環芳香族化合物の複合曝露における底生生物から底生魚への蓄積機構の解明」を遂行するため、広島湾を対象に、物性の異なる複数の物質群からなる多環芳香族化合物をモデル物質として、底質から底生生物を介した底生魚への移行・蓄積機構を明らかにする上で重要な、底生魚の生息環境における多環芳香族化合物濃度の周年変動を調べるために用いられ、漁場保全技術の開発に資するデータが得られることが期待されます。

※掲載している写真については、以前行った調査のものです。本調査概要を紹介するために掲載していることを申し添えます。

自重約100kgの柱状型採泥器を用いれば、通常では難しい砂地でもきれいな底質の
柱状試料が採集できます。柱状試料によって底質の表層を採集することができます。
 
底生生物を採集するため、SM採泥器で大量の底質を採集します。
 
SM採泥器で採集した底質に海水をかけ流し、底生生物を採集します。
 
大型の柱状型採泥器では底質試料だけでなく、底質からの有害化学
物質の再溶出を調べるために重要な直上水を採集することができます。



底生生物は底質中の有害化学物質が二次汚染源
となりうるか、鍵をにぎっている生物です。

 
今回調査を行った海域です。