第14回広島湾研究集会 開催報告

~アマモ場の保全・再生へ向けての先進的な取り組み~
 


 
  平成25年12月20日(金)、広島県情報プラザの多目的ホールにおいて、大学、研究機関、地方自治体、漁業者団体、NPO法人、民間企業などから86名の参加により「第14回広島湾研究集会~アマモ場の保全・再生へ向けての先進的な取り組み~」が開催されました。

 基調講演として、広島大学名誉教授の松田治氏から豊かな瀬戸内海を実現するため、里海づくりやアマモ場再生を推進中の三重県志摩市の英虞湾と岡山県備前市日生地区における先進連携事例が紹介され、里海やアマモ場再生の実現に向けた新たな産・学・官・民の連携、展開が期待できることが指摘されました。

 一般講演では、これまで未評価であった価値を試算することによりアマモ場生態系の経済的な価値が今後さらに高くなることや、周辺海域までも含めた藻場の機能という観点からのアマモ場再生の重要性、必要性が報告されました。休憩を挟み、水産資源回復のため仔魚から成魚までの生息場を創出する漁場環境整備と順応的な管理の取り組みや、誰でも手軽にアマモ造成ができるための工夫などが報告されました。

 総合討論では、アマモ場を瀬戸内海全体で、さらに陸域まで含めて長期的に評価し経済的な価値を示すことが、アマモ場再生に係る継続した取り組みに繋がるとの指摘がありました。